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PNC TJ1632 97-001, 139 Pages, 1997/03
核燃料再処理工場等に用いられる安価で即応性の良い臨界安全監視システムの開発を目的として、過去5年間にわたって逐次型ARMAモデル同定手法の安全監視システムへの応用と言う観点から各種の検討を行ってきた。これらの成果を実際のシステムとして構築することがこれからの課題であり、本年度はこれらの知見を実際の臨界安全監視システムとしてシステム化するために必要となるモジュールに付いて検討を行うと共に、平成8年3月に動燃事業団・大洗工学センターのDCA実験装置において行われた炉雑音実験データを解析し、これまでの手法の有効性と限界を確認すると共に以下の結論を得た。1.中性子信号を検出し、アナログ/ディジタル変換を行うシステム構成は中性子検出器に何を用いるかによって変わる。しかし、今回のDCA実験データの解析結果はパルス型の中性子検出器の方が、電流型よりも有効であることを示している。電流型の場合には、ハムノイズを除去するための適当なノッチフィルタを設計しなくてはならない。2.従来は、同軸ケーブルなどを用いて信号の伝送を行ってきたが、近年、光ケーブルを用いた信号の伝送技術が主流となっている。そこで、本システムでは光伝送制御システムの利用を提案する。この技術は大量の情報の伝送を可能にするばかりでなく各モジュールの遠隔制御を可能にする。また、この方法は、耐電磁誘導障害、耐火性に富み、システムの信頼性を高める。3.信号解析部として、システムを固定化してしまうROMチップを用いるよりも、近年目覚ましい進歩を示している高性能計算機と各種の信号解析ソフトウェアを組み合わせた総合信号解析処理システムを提案した。この手法はソフトウェアや解析技術の進歩を即座にシステムに取り入れることが可能となるばかりでなく、特別なシステムを付加することなく、時代と共に進歩・発展する柔軟な臨界安全監視システムを構築することができる。
大谷 暢夫
PNC TN9410 97-011, 45 Pages, 1997/01
核燃料施設の臨界安全管理の信頼生の向上と臨界安全設計の合理化を目的として,核燃料を含む体系の実効増倍率(未臨界度)を直接モニターする未臨界度モニターの開発研究を進めている。未臨界度モニターに適用する測定・解析手法としてウェーブレット解析を検討した。本研究では,未臨界度を検出する為の測定データである中性子雑音データを,ウェーブレット解析を適用して処理する事によって,体系が臨界に近接していることを検知する手法を開発した。ウェーブレット解析は信号の時間変化を評価する解析手法であり,短時間の間の信号の処理を集積することによって情報を得る。その結果,これまで未臨界度モニター手法として適用されてきた炉雑音解析手法であるファインマン-アルファ法やミハルゾ法と比較して,体系が定常であることが要求される時間間隔が短く,応答の速い未臨界度モニター手法として適用が期待できる。ウェーブレット解析では,適用するウェーブレット関数に多様な選択が可能であるが,ここではファインマン-アルファ法等の測定に採用してきたマルチチャンネルスケーラー(MCS)による測定データを処理することを想定して,カーディナルスプライン関数を用いる離散変換を選択した。又,臨界への近接を数値的に表現する為に,模擬的に作成された非増倍系の計数との比較によって評価を行う手法を考案した。2階及び4階のカーディナルスプライン関数によるウェーブレット解析の計算式の導出と計算プログラムの作成を行い,重水臨界実験装置(DCA)における測定データを処理して,体系が臨界に近接したことを検知できることを確認した。
山田 澄*
PNC TJ1632 96-001, 50 Pages, 1996/03
核燃料再処理工場等においては安価で即応性の良い臨界安全監視システムの開発を目的として過去4年間にわたって逐次型ARMAモデル同定手法の安全監視システムへの応用と言う観点から各種の検討を行ってきた。そこで、本年度はこれらの知見を実際の臨界安全監視システムとしてシステム化するためには、システム構成をどの様にすれば良いかを検討した。本年度は、実際にハードウエアとして設計する際に必要となる詳細な検討ではなく、システムとして構成するための基本概念についてのみの検討を行い、以下の結論を得た。本システムの設計基本思想は高信頼性、耐雑音性、そして高拡張性に置いている。そのため、臨界安全監視システムは計算機を中心とするシステム構成とし、(1)中性子信号検出部及びアナログ/ディジタル(A/D)変換部、(2)情報光伝送システム、(3)信号解析及び表示警報信号発生部の3つの部分システムから構成することを基本とする。1.中性子信号検出部及びA/D変換部は、中性子検出出力信号の揺らぎ成分を取り出し、このアナログ信号をディジタル時系列データ化するための信号処理部であり、用いる中性子検出器として電流型を用いるかパルス型を用いるかにより構成要素が変わる。それぞれ利点と欠点があり、更に詳細な検討が必要である。2.従来、信号やデータは同軸ケーブル等を用いたハードワイアリングにより伝送されてきたが、近年、改良ファイバーを伝送線としてレーザーダイオードやLEDを光源とする光伝送技術が急速な発展を遂げており、その技術を本システムでも用いるべきである。この方法は、大容量の情報を、高速に伝送することが可能となるばかりでなく、計算機側から時系列データ発生部にアクセスして、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタの折れ点周波数の切替や、プリアンプゲイン変更などをリモートコントロール出来る上、電磁誘導障害が無い、耐火性に富むなど安全性の高い計測制御システムの実現が可能となる。3.本臨界安全監視システムの様な特定の目的を持ったシステムでは、従来、高速信号処理、計算機負荷の軽減、システム全体の小型化等の目的で、解析アルゴリズムはROM化されていたが、近年、計算機の性能は飛躍的に向上し、システムを固定化してしまうROMチップを用いるよりも、高性能の計算機と各種の信号解析ソフトウエアを組み合わせた総合信号解析処理システムを構成す